2005年02月10日

STEREO GIRL[写真展/プクワ/高知市]

STEREO GIRL[写真展/プクワ/高知市] を見に行ってきました。

この展覧会は、STUDIO.ZONE Vの初の写真展。
studio.ZONE Vは高知県を中心に活動するカメラマン井戸宙烈さんと編集者高橋さよさんの事務所です。
今回の写真展はステレオ写真の技法を使ったカラー写真。

まず芳名台の上に、ステレオ写真というのはどんなものかと言うことが
「2台の同じ機種のカメラを並べて撮って、赤い写真と青い写真にします。そして、それを重ねればできあがり。」
と、簡単に書いてありました。そんな3分クッキングみたいな…事では無いはず。
『2台のカメラの隙間の加減は?角度は?』とか『カラーの部分はどうするんだ重ねても紫にしかならないじゃん』とかおもいつつ。

3Dメガネをかけて見てみると、なるほど「飛び出して見え」ます。
飛び出して見えるというか、手前にメインが有る写真は背景のズレが手前のズレより大きく、後ろにメインがある場合は手前のズレが後ろのズレより大きいという事のようで。(焦点が合っている距離が最もズレが少なくそれより手前それより背景になるほどズレが大きいってことです)
1枚の写真の中に2枚の単眼による像が入っていて、片目づつで見る(カラーフィルターで不要な方の情報を消す)と人間の目に近い状態を再現できていました。
これって、絵にぼかしとかかすみをかけたりして手前・奥・背景を作るのと同じ概念をくっきりはっきりな写真でやるとこうなるのね。という感じです。
ダリなんかは本気でコレとほぼ似たような事を絵でやってましたが。
[ステレオ絵画とか立体絵画とか言うやつで、2枚の色味が若干違うそっくりな絵(右目で見たのと左目で見たの)をパターンの立体視と同じ要領で頭の中で1枚の絵にすると飛び出すという奴で、昔 猪熊弦一朗美術館に来ていたやつのことです。(検索にズバリそのものがひっかからない;)]


ステレオ写真の場合は、3Dメガネをかけてはじめて像がでてくるわけで、「人の頭の中にしかない像」。
で、メガネをかけている人が微妙に動く(写真の平面に対して色々な角度が付く)時に初めて立体的だと認識するわけで、例えば、微動だにせずに見た場合はチラチラしない分飛び出して来ないのかな?と思いました。その点会場の狭さも作戦というか、絶対に近くで見ることになるので、遠目で3Dメガネをかけて見て終わりなんてことが起きにくい状況(角度がつきやすい状況)でした。

写真の場合はある程度の段階までの技術の習得と機械の有無や使いこなし具合なんかもその人の実力だったりするので、偶然性も加味するファインアートと違って「すごく計算ずく」な感じがして、策にハメられる側でありながら、策にハメる側の思考をたどって作品をみたりしました。
その技法の派手さ(=誰でも苦労せずに同じ状況を体験できる)のせいか、何が写っていたかということが見る人の中ではそんなに重要ではなかったのではないかと思います。技法自体が写真の見た目全面にはっきり出てくるので、これにさらに色々対象物のもつ意味を重ねるとちょっと重量オーバーになるのかもしれませんが。次回は写っている対象をZONE Vでは普段どういう視点で撮っているのかというのも見てみたいです。

ところで、このステレオ写真の技法、対象が小さいから成り立つのであって、壁画の様な場合に使うとしたら、絵巻物のように場面場面、パーツパーツで作成して貼り合わせたようなコラージュのような感じになるのでしょうか?。(いや実際壁画は全部を近くで一度に見ることは出来ないのでその不自然が逆に自然かも。)
などなど、写真の技法はよく知りませんが、ステレオ絵画の実験に近い要素だったので、思考を巡らす入口がみつけやすかったように思います。
[というか写真の技法を知っていたら、他の写真を見てももっと考えることがあるんだろうにという反語でもあり]

ZONE V のホームページでは会期中のレポートが随時更新されています。

また、19日20日には、ご来場の方を撮影する撮影会も開催されるみたいです。
posted by graffiti at 12:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 高知のART event
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